人生100年時代の「歯を失った後の選択」
こんにちは 神戸市 六甲道のよねみつ歯科 事務長です。
敬老の日やお彼岸を迎え、少しずつ秋の気配を感じる頃となりました。
そして、いよいよ「食欲の秋」の到来ですね!
人生100年時代。
何歳になっても、おいしいお食事を楽しみたいという気持ちは、皆さま共通ではないでしょうか。
毎日のセルフケアに加えて、歯科医院での定期的なメンテナンスを続けられ、ご自身の歯でお食事を楽しまれているご高齢の方がいらっしゃいます。
歯を失うリスクがあるのはご高齢の方だけではありません。
- 転倒や事故、スポーツなどによる外傷で歯が折れる
- 神経を取った歯(失活歯)が、歯ぎしりや食いしばりなどの強い力によって、根の部分から縦に割れる「歯根破折」
- 重度の虫歯などにより、歯を残すことが難しくなる
など、年齢にかかわらず歯を失うことがあります。
これまでのブログでは、失った歯を補う方法の一つとして「インプラント」についてご紹介してきました。
今回は、インプラント以外の代表的な選択肢である「ブリッジ」と「入れ歯(義歯)」についても、あわせてご紹介します。
「ブリッジ」

ブリッジは、失った歯の両隣などにある歯を支えとして、人工の歯を連結した装置を作り、固定する方法です。
取り外して使用する必要がないため、普段はご自身の歯に近い感覚で使用できます。
保険診療で使用できる材料のほか、ジルコニアなどを使用した自費診療のブリッジもあります。

ただし、ブリッジを支えるために、隣の歯を削る必要があることがあります。また、支えとなる歯の状態や失った歯の場所によって、適応できるかどうかが変わります。
「入れ歯(義歯)」
入れ歯には、「部分入れ歯」と「総入れ歯」があります。
部分入れ歯は、失った歯を人工歯で補い、残っている歯などを支えとして使用します。保険診療では金属のバネ(クラスプ)を使用するタイプが一般的です。


一方、自費診療では、金属のバネを目立ちにくくした「ノンクラスプデンチャー」などもあります。


たくさんの歯を失った場合には、人工歯を支える「床(しょう)」の部分を大きくして、歯ぐきや顎の骨などで支えるタイプの入れ歯を使用することがあります。

入れ歯は取り外して清掃できるため、毎日のお手入れがしやすいことも特徴の一つです。
それぞれのメリット・デメリット
インプラント、ブリッジ、入れ歯には、それぞれ特徴があります。
どの方法が適しているかは、失った歯の本数や場所、残っている歯の状態、顎の骨の状態、全身状態、費用などによっても異なります。
ここでは、それぞれの違いを見てみましょう。
~歯を削る量~
インプラント < 入れ歯 < ブリッジ
インプラントは、基本的に失った部分に人工歯根を埋め込むため、隣の健康な歯を削って支えにする必要がありません。
ブリッジの場合は、失った歯の両隣などにある歯を支えとして使用するため、支台歯を削る必要があります。
入れ歯の場合も、入れ歯を安定させるために、支えとなる歯の一部を調整することがあります。また、設計によってはバネなどをかけるためのスペースを作るために削ることがあります。
※歯を削る量は、歯の位置や本数、治療方法によって異なります。
~装着感(つけごごち)~
一般的には、インプラントやブリッジは、入れ歯に比べて違和感が少ない傾向があります。
入れ歯は、バネや人工歯、床などの装置が口の中に入るため、慣れるまで違和感を覚える方もいらっしゃいます。
ブリッジは、隣の歯と人工歯を連結して固定するため、取り外しの必要がなく、入れ歯に比べて違和感が少ないと感じられる方もいます。
一方で、ブリッジは人工歯の下や支えとなる歯との境目など、清掃が難しい部分があります。適切な清掃方法を身につけることが大切です。
インプラントは、顎の骨に人工歯根を固定するため、入れ歯のように装置が大きく動くことが比較的少なく、天然歯に近い感覚で噛めることが期待できます。
ただし、「元の歯とまったく同じ噛み心地になる」とは限りません。骨の状態や治療部位、噛み合わせなどによっても感じ方は異なります。
~費用や治療期間、メンテナンス~
インプラントは、基本的に自費診療となるため、ブリッジや入れ歯に比べて費用が高くなることがあります。
また、インプラントを支える顎の骨が十分でない場合には、骨造成などの追加処置が必要になることがあります。
インプラント体を埋め込んだ後は、骨としっかり結合するまで一定の期間を待つ必要があるため、治療開始から最終的な歯が入るまでに時間がかかる場合があります。
そして、インプラントは「入れたら終わり」ではありません。
天然歯と同じように、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。
メンテナンスを怠ると、インプラントの周囲に炎症が起こり、インプラントを支えている骨が失われる「インプラント周囲炎」につながることがあります。進行すると、インプラントが動いたり、抜け落ちたりすることもあります。
入れ歯は、保険診療・自費診療のいずれの場合も、取り外して清掃できることが大きな特徴です。また、破損した場合などには、状態によっては修理できる場合があります。
ブリッジにも保険診療と自費診療があり、いずれも取り外すことができないため、人工歯の下や支えとなる歯との境目などの清掃には工夫が必要です。スーパーフロスなど、歯間清掃用の器具を使用することもあります。
また、支えとなる歯に再び虫歯(2次カリエス)ができたり、歯周病が進行したりした場合には、ブリッジを外して治療が必要になることがあります。
歯を失ったままにしないことも大切です
いかがでしたでしょうか。
歯を失った場合には、インプラントだけでなく、保険診療・自費診療を含め、さまざまな選択肢があります。
大切なのは、「自分にはどの方法が合っているのか」を歯科医師と相談しながら選ぶことです。
そして、もう一つ大切なのが、歯を失った部分をそのまま長期間放置しないことです。
歯が抜けたままになると、
- 噛み合っていた反対側の歯が伸びてくることがある
- 隣の歯が傾いてくることがある
- 歯並びや噛み合わせが変化することがある
- 汚れがたまりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクにつながることがある
など、周囲の歯や噛み合わせにも影響する場合があります。
また、歯がない部分には噛む力が伝わらなくなるため、顎の骨が少しずつ吸収され、痩せていくことがあります。
これは、インプラントだけでなく、ブリッジや入れ歯でも、天然歯があった状態と同じように顎の骨へ力が伝わるわけではないため、起こり得る変化です。
当院でも、20年以上前にインプラント治療を受けられた患者さまのレントゲンを拝見する機会があり、インプラント体の周囲の骨が良好に保たれているケースが多くあります。
ただし、インプラントだから必ず骨が残るというわけではなく、天然歯もインプラントも、日々のケアと定期的なメンテナンスが大切です。
よねみつ歯科では、「しっかり噛む」ことを大切にしながら、歯やインプラントを支える骨をできるだけ長く健康に保ち、患者さまが人生100年時代をより健やかに過ごしていただけるよう、お手伝いできればと考えています。

「どれを選べばいいのか分からない」
「自分の場合はインプラントができるの?」
「できれば保険診療で治療したい」
など、どのようなことでも構いません。
ご不明な点やご不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。


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